今回はこのようなインプレッションシェアに関して、お悩みをお持ちの方に読んでいただきたい記事です。
インプレッションシェアとは、リスティング広告が配信される可能性がある表示回数のうち、実際にどのくらい配信されたかを追う指標のことを指しています。
そしてこのインプレッションシェアを確認することで、現在のリスティング広告でどこを改善すべきかを把握することが出来ます。
しかしリスティング広告初心者の方は、インプレッションシェアという指標をどのように活用すれば良いか分からないことも多いと思います。
そこで今回はインプレッションシェアがどのような指標の数値なのか、またインプレッションシェアを使ってどのように改善点を見つけられるのかをご紹介させて頂きます。
インプレッションシェアの定義とは?
冒頭でもご紹介させて頂きましたが、インプレッションシェアとは、
そのリスティング広告が配信される可能性がある回数のうち、どのくらい配信されたかを割合で示している値
になります。
ここでは、このインプレッションシェアの仕組みと計算方法についてお話しさせて頂きます。
インプレッションシェアの仕組み
「リスティング広告が配信される可能性がある回数」とはどういうことでしょうか?
リスティング広告では、オークション入札という方式を取っています。
このオークションに勝つと広告が配信されて、オークションに負けると広告は配信されません。
そして、この「オークションに入札される可能性がある推定回数」というのが「リスティング広告が配信される可能性がある回数」となります。
例えば、キーワードを入稿していなければそのオークションに参加する可能性は無いですし、対象の時間帯や曜日で除外をしている場合はその期間はオークションに参加出来ないため、この推定回数には入ってきません。
またあくまでも推定回数になりますので、正確な数値では無いことも要注意が必要です。
インプレッションシェアの計算方法
上記の計算式でインプレッションシェアが%単位で計算されます。
例えば、配信される可能性がある推定回数が50万回で、実際の配信回数が30万回の場合は、インプレッションシェアは30万÷50万×100の計算より、60%ということになります。
そしてここから分かることは、もしインプレッションシェアを100%、つまり参加した全てのオークションに勝てるように改善した場合は、今よりも20万回の表示回数が増える可能性があると言えます。
インプレッションシェアの低い要因について
ここまでの説明より、インプレッションシェアが低い場合というのは、オークションに負けてしまっていると考えられます。
ただしオークションで負けているからと言って、絶対に改善しなければいけないとは思わないでください。
このインプレッションシェアが低い要因を確認する上で重要になるのが、インプレッションシェア損失率(予算)とインプレッションシェア損失率(広告ランク)という指標です。
インプレッションシェアを損失した要因が予算によるものなのか、広告ランクによるものなのか、を教えてくれるのがインプレッションシェア損失率になります。
そのためインプレッションシェアの計算式として、
となります。
インプレッションシェア損失率(予算)とは?
リスティング広告は、キャンペーン単位で日予算もしくは合計予算を設定することが出来ます。
インプレッションシェア損失率(予算)が発生している場合は、このキャンペーンに設定した予算に到達してしまい、広告配信がされなくなってしまったということを示しています。
このインプレッションシェア損失率(予算)が発生している場合は、改善の余地があると言えます。
インプレッションシェア損失率(予算)の改善方法
一番簡単な改善方法として、キャンペーンの予算を引き上げることです。
インプレッションシェア損失率(予算)が発生している状況は、予算に到達していることが要因になりますので、予算を引き上げれば改善します。
しかし、予算が決まっている案件などでは予算を引き上げることは出来ませんよね?
その場合に必要になってくる対応が、
- 無駄な広告費を削減すること
- CPCを引き下げること
の2つになってきます。
①無駄な広告費を削減すること
キーワード単位で比較した時に、広告費は多いのに獲得に繋がっていないキーワードがあれば抑制や停止を行うようにしましょう。
この対応を行うことで、無駄な広告費が削減されてキャンペーン予算に到達しにくくなるため、インプレッションシェア損失率(予算)の改善に繋がります。
また獲得に繋がっているキーワードはそのまま配信されますので、同時にCPAも下げる効果があると考えられます。
②CPCを引き下げること
キーワード数が少なかったり、①のように無駄な広告費とされるキーワードが見つからない場合は、全体の入札単価を引き下げてCPCを引き下げることが効果的です。
CPCが下がることで広告費が減少しますので、インプレッションシェア損失率(予算)の改善に繋がります。
また、CPCが下がるとその分クリック数が上がる可能性が考えられますので、最終的にはCV数が増加する可能性があります。
インプレッションシェア損失率(広告ランク)とは?
広告ランクによってインプレッションシェアを損失してしまった割合のことを、インプレッションシェア損失率(広告ランク)と言います。
広告ランクが高ければ高いほどオークションに勝ちやすく、掲載順位も高くなります。
そしてこの広告ランクは、以下の計算式によって決まります。
インプレッションシェア損失率(広告ランク)の改善方法
先ほどの説明より、インプレッションシェア損失率(広告ランク)を改善するためには、
- 品質スコアを改善する
- 入札単価を引き上げる
という2つになります。
①品質スコアを改善する
品質スコアとはキーワード単位で決まる指標になっており、
- キーワードのクリック率
- キーワードと広告文の関連性
- ランディングページの利便性
この3つが高ければ高いほど、品質スコアも高くなります。
管理画面上では、「品質スコア」「推定クリック率」「ランディングページの利便性」「広告の関連性」という表示項目でキーワード別にそれぞれのデータを見ることが出来ますので、品質スコアが低い場合にどの項目を改善すれば良いかを確認することが出来ます。
②入札単価を引き上げる
入札単価を引き上げることで広告ランクを改善出来ますので、インプレッションシェア損失率(広告ランク)を改善することが出来ます。
しかし入札単価を引き上げるということは、CPCも上がることになり広告費も増加し、CVは増えますがCPAが高くなる可能性があります。
予算に余裕があるのであればこちらの対応で問題ありませんが、上限予算が決まっている場合は対応が難しいです。
以上より、インプレッションシェア損失率(予算)の改善はCVやCPAという数値を改善させる効果もありますので、発生している場合はすぐに改善することをおすすめいたしますが、インプレッションシェア損失率(広告ランク)の改善は品質スコアを引き上げるのにある程度時間を要するし、入札単価の引き上げはCPAの高騰にも繋がりかねないので注意が必要です。
以下の記事でもインプレッションシェアの改善について記載しておりますので、宜しければご覧ください。
インプレッションシェアの確認方法
最後にインプレッションシェアを管理画面で確認する方法をご紹介いたします。
インプレッションシェアは、「キャンペーン」「広告グループ」「キーワード」の単位で確認することが出来ますが、ここでは「キーワード」単位でのインプレッションシェアの確認方法を記載させて頂きます。
なお、インプレッションシェア損失率(予算)は予算を設定する「キャンペーン」単位でのみ確認することが出来ます。
Google広告
手順①:キーワードの項目に入り、「表示項目」をクリックします。
手順②:競合指標から「検索広告のインプレッション シェア」および「検索広告のインプレッション シェア損失率(ランク)」を選択して適用します。
手順③:キーワードの項目が追加されます。
Yahoo!プロモーション広告
手順①:キーワードの項目に入り、「表示」をクリックします。
手順②:開いた表示項目から「インプレッションシェア」および「インプレッション損失率(掲載順位)」を選択して適用します。
Yahoo!では「インプレッション損失率(掲載順位)」となっていますが、Googleの「インプレッションシェア損失率(広告ランク)」と同じで、品質スコアと入札単価が要因してインプレッションシェアを損失している割合を指しています。
手順③:先ほど選択した項目が表示されます。
まとめ
今回はインプレッションシェアについての概要やデータの確認方法、そして改善の仕方までをご紹介させて頂きました。
インプレッションシェアはあくまでもオークションに参加する可能性がある推定値を元にした割合を出しており、正確な値ではありませんので多少の前後は気にしないようにしましょう。
また、インプレッションシェアは必ずしも改善しなければならない項目ではありません。
インプレッションシェア損失率(予算)が発生している場合はすぐに改善を行うべきでありますが、インプレッションシェア損失率(広告ランク)が発生している場合は品質スコアなのか入札単価なのかを把握して、改善がそもそも出来るのかをチェックしておきましょう。
特に前者のインプレッションシェア損失率(予算)はCV数の増加やCPAの改善に繋がりますので、しっかりと対応を行うようにしましょう。
最後までお読みいただきましてありがとうございました。
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