今回はこのような除外キーワードの選定のコツやポイントでお悩みのある方におすすめの記事です。
リスティング広告では入稿するキーワードを決めることが出来ますが、反対に除外するキーワードを設定することも出来ます。
つまり、特定のキーワードの場合にリスティング広告を出稿させないという設定になります。
この除外キーワードを設定することは、
入稿するのと同じくらいリスティング広告の成果に関わってくること
です。
なぜなら効果の良いキーワードと効果の悪いキーワードを見つけて、効果の悪い部分をしっかりと除外させることで、よりよいパフォーマンスを出すことが出来るようになるからです。
そしてその除外キーワードを選定するコツとして、大きく以下の3つが考えられます。
- 外部や内部的に企業として出稿しないキーワード
- 広告パフォーマンスとして成果・効果の悪いクエリ
- 広告パフォーマンスとして含まれると悪いクエリの要素
今回はこれらの除外キーワードを選定するコツをご紹介させて頂きます。
除外キーワードとは?
冒頭でもご紹介させて頂きましたが、除外キーワードを設定することはリスティング広告で配信させないキーワード決めるということになります。
なぜあえて配信させないキーワードを決める必要があるのかというと、リスティング広告ではキーワードを入稿する際にマッチタイプを合わせて入稿します。
それぞれのマッチタイプの概要については以下の通りです。
マッチタイプ | 入稿キーワード(例) | 実際の配信クエリ(例) | 定義 |
完全一致 | [リスティング広告] | リスティング広告 | 入稿キーワードと完全に一致した場合に配信される |
フレーズ一致 | “リスティング広告” | リスティング広告 ブログ | そのキーワードが含まれる場合に配信される |
部分一致 | リスティング広告 | Google Ads | そのキーワードと関連している場合に配信される |
絞り込み部分一致 | +リスティング +広告 | Yahoo 広告 リスティング | 「+」を指定したキーワードが含まれる場合に配信される |
この中でも完全一致は一番コントロールがしやすく、キーワードと完全に一致した場合のみ配信されるマッチタイプですが、他のフレーズ一致や部分一致などは設定したキーワードとは異なるクエリで広告配信が行われるマッチタイプとなります。
特に部分一致では、関連しているワードまで拡張されてしまうため、想定していなかったクエリで配信されてしまう可能性があります。
そこでこの除外キーワードを使って、
より配信させるクエリをコントロールしていく必要
があるのです。
またこの設定を行うことは、無駄にコスト消化させてしまっていたクエリを除外させてリスティング広告の成果改善に繋がっていきますので、まだ設定されていない方は一度配信実績をみてご確認いただくことをおすすめいたします。
除外キーワードのマッチタイプとは?
先ほどキーワードのマッチタイプに関して説明させて頂きましたが、マッチタイプを設定するのは入稿する時だけでなく除外キーワードを設定する場合にも設定する必要があります。
つまり、完全一致での除外、フレーズ一致での除外、部分一致での除外、絞り込み部分一致での除外の4パターンがあります。
完全一致での除外
完全一致で除外キーワードを設定した場合、そのキーワードと完全に一致した場合のみ広告配信がされないという設定になります。
入稿時のマッチタイプと考え方は一緒になります。
フレーズ一致での除外
フレーズ一致で除外キーワードを設定した場合は、そのキーワードがフレーズとして含まれる場合に広告配信がされないということになります。
こちらも完全一致同様に入稿時と考え方は一緒です。
部分一致での除外
ここで注意が必要です。
部分一致は入稿キーワードとして設定している場合は、そのキーワードと関連しているクエリで広告配信がされます。
しかし除外キーワードとして設定した場合は、
そのキーワードが含まれている場合に広告配信がされない
という設定になります。
つまり部分一致を除外キーワードに設定すると、仕様としてはフレーズ一致での除外と同じとなります。
絞り込み部分一致での除外
絞り込み部分一致は、通常入稿時は「+」の記号が付いているキーワードを絞り込んで配信されるマッチタイプです。
除外時もこの仕様は変わらず「+」の記号で絞り込まれて除外されますが、先ほどの部分一致での除外設定でも合った通り、「+」の記号で絞り込んでいなくてもフレーズ一致扱いになります。
そのためこの絞り込み部分一致での除外設定はあまり使われることはないです。
除外キーワードのコツ
ここまで除外キーワードの特徴や仕様などをご紹介させて頂きましたが、ここからは除外キーワードのコツをご紹介させて頂きます。
冒頭でもお伝えさせて頂きましたが、除外キーワードを選定するコツを以下の3つのポイントでお話しさせて頂きます。
- 外部や内部的に企業として出稿しないキーワード
- 広告パフォーマンスとして成果・効果の悪いクエリ
- 広告パフォーマンスとして含まれると悪いクエリの要素
外部や内部的に企業として出稿しないキーワード
競合他社との除外
例えば、競合他社名などで広告配信がされてしまっていて、その企業から除外しないかと持ちかけられた場合です。
もちろん受け入れるか受け入れないかは企業判断になりますが、このようなキーワードの除外を受けた場合は
そのキーワードを含む場合には広告配信をさせない
という設定にする必要があります。
そのため、
フレーズ一致もしくは部分一致での除外
を行うようにしましょう。
もし仮に完全一致で除外をしてしまうと掛け合わせで検索した場合に配信される可能性があり、再度競合から指摘があって無駄に対応を行う必要が出てしまいますので、初めからフレーズ一致で除外することをおすすめいたします。
また原則全てのキャンペーンを対象に除外する方が良いかと思います。
もちろん中には完全一致しか購入していない広告グループなどでは配信されないはずなのですが、もしも配信されてしまうキーワードが含まれている場合には先ほどと同様に再度指摘が入ってしまいますので、全キャンペーンにフレーズ一致での除外を徹底する方が安全かつ楽です。
ちなみに、反対に競合他社から自社の指名ワードを買われているという場合には、以下の記事が参考になるかと思いますので、宜しければご参考に頂ければ幸いです。
SEOとの兼ね合い
検索エンジン上には有料のリスティング広告の枠以外に、通常の検索結果の枠が表示されます。
この通常の検索結果で上位表示させることをSEOと呼びますが、このSEOで上位表示させているキーワードであえて有料のリスティング広告を出稿する必要があるのかどうかという話になります。
これは企業判断になりますが、もしSEOで1位を取れているキーワードをリスティング広告で配信しないというルールを設けるのであれば、このキーワードは完全一致で除外させる必要があります。
つまりその特定のキーワードだけで除外させることになるのですが、フレーズ一致や部分一致を設定してしまうと中にはSEOで1位表示されていないキーワードまでも除外してしまい機会損失になる可能性があるからです。
これは特に指名ワードで良く起こり得る可能性があることになります。
アフィリエイトサイトの出稿
企業で無くても、例えばアフィリエイトサイトでリスティング広告の出稿をしたいという場合でも、そのアフィリエイト広告によってはリスティング広告を出稿する場合にNGとしているキーワードがあります。
企業名や商品名などが対象になってくると思いますが、そのような除外の場合原則として
その対象キーワードをフレーズ一致もしくは部分一致で除外させる必要
があります。
完全一致で除外させてしまうと掛け合わせの際に配信されてしまう可能性があり、ASP側などから指摘が入ったり、最悪の場合提携解除や報酬を無くされる可能性がありますので、ご注意いただければと思います。
なおアフィリエイトサイトでのリスティング広告出稿は直近かなり厳しくなってきていますが、Googleではブリッジページというポリシーを受けなければアフィリエイトサイトでも広告配信を行うことが出来ます。
もしご興味ある方は以下の記事をご参考に頂ければと思います。
広告パフォーマンスとして成果・効果の悪いクエリ
リスティング広告の実際の配信結果から検索クエリレポートを確認した際に、クリックやコストは消化しているけどCVがあまり付いていないCPAの高いクエリを見つけた場合の対処法になります。
どこを見て成果が悪いと判断するからは難しいところでありますが、例えばCPA目標2,000円のところをコスト20,000円使ってCVが1~2件しか取れていないのであれば、現時点での改善は難しいと考え、完全一致での除外設定を行うのが良いかと思います。
ここで設定するマッチタイプはそのクエリ次第でもありますが、リスティング広告のキーワードでは掛け合わせワードによってCVRが変わる可能性が大いにあるので、フレーズ一致や部分一致での除外を行ってしまうと獲得の良いキーワードでの配信が行われなくなってしまう可能性があります。
そのため効果の悪いクエリ自体を除外するのであれば、
完全一致で除外
するのが良いでしょう。
ちなみにこの場合の対処としては除外以外にも、あえて入稿するというパターンもあります。
例えば効果の悪いクエリで拾っているキーワードがフレーズ一致や部分一致で配信されている場合、そのクエリを完全一致で入稿すればその完全一致側が優先されて配信を行うことが出来ます。
そしてその入札単価を引き下げることで、配信量を抑制させることが出来ます。
ただし一つ注意点が、この完全一致で入稿対応を行った後に該当キーワードの停止をしてしまうと、最初と同じくフレーズ一致や部分一致で再度このクエリが反応して配信されてしまいます。
そのためもし完全一致での広告配信を成果が悪いことが理由で停止させる場合は、同時に対象の広告グループに完全一致で除外設定を行っておきましょう。
こちらは以下の完全一致の記事でも、デメリット部分に記載させて頂いておりますので、ご参考にしてください。
広告パフォーマンスとして含まれると悪いクエリの要素
先ほどは一つのクエリを指していましたが、今度はそのクエリの中の掛け合わせワードに注目していきます。
これは形態素解析とも呼ばれますが、つまり検索クエリを分解してそれぞれの掛け合わせワード毎に数値を集計したときに、効果の良し悪しがあれば広告運用に取り入れていくという仕組みになります。
例えば、以下のような検索クエリレポートがあったとします。
検索クエリ | IMP | CL | CTR | CPC | COST | CV | CVR | CPA |
リスティング 無料 | 10,000 | 300 | 3.0% | ¥23 | ¥2,326 | 0 | 0% | ¥0 |
Google広告 無料 | 5,000 | 60 | 1.2% | ¥51 | ¥3,100 | 0 | 0% | ¥0 |
リスティング 出稿 | 4,000 | 80 | 2.0% | ¥51 | ¥4,150 | 2 | 2.5% | ¥2,075 |
無料 Yahoo | 7,000 | 100 | 1.4% | ¥55 | ¥5,500 | 0 | 0% | ¥0 |
Google広告 出稿 | 8,000 | 120 | 1.5% | ¥70 | ¥8,400 | 3 | 2.5% | ¥2,800 |
そしてこれを形態素解析して、それぞれの掛け合わせワード毎にまとめたものが以下となります。
要素 | IMP | CL | CTR | CPC | COST | CV | CVR | CPA |
リスティング | 14,000 | 380 | 2.7% | ¥17 | ¥6,476 | 2 | 0.52% | ¥3,238 |
13,000 | 180 | 1.3% | ¥63 | ¥11,500 | 3 | 1.66% | ¥3,833 | |
出稿 | 12,000 | 200 | 1.6% | ¥62 | ¥12,550 | 5 | 2.5% | ¥2,510 |
無料 | 22,000 | 460 | 2.1% | ¥23 | ¥10,926 | 0 | 0% | ¥0 |
広告 | 13,000 | 180 | 1.3% | ¥63 | ¥11,500 | 3 | 1.66% | ¥3,833 |
Yahoo | 7,000 | 100 | 1.4% | ¥55 | ¥5,500 | 0 | 0% | ¥0 |
最初の表では分かりにくかったですが、こちらの表では「無料」という掛け合わせキーワードが含む場合は他の要素と比べてCPCは低いですが、効果が悪いということが分かりました。
そこでこの「無料」が含まれる場合には広告配信をさせたくないので、
フレーズ一致もしくは部分一致での除外設定
を行います。
どうしてこんな形態素解析を行うかというと、リスティング広告はデータが全てでデータ量があればあるほど、成果が良いのか悪いのかを判断していくことが出来ます。
しかし細かいクエリレポートを見ていると、表示回数1でクリック数1というクエリなど配信量が全然ないキーワードがたくさんあることが分かります。
そのままだとデータ量が少なく判断出来ませんが、このように形態素解析してデータを集約するとまた違った傾向を掴めるようになってきます。
ちなみに先ほどのデータから考えると、「出稿」というキーワードが掛け合わされている場合は効果の良いことが分かりますね。
そこでこの「出稿」が含まれている場合のクエリを多く拾わせてみようと考えて、絞り込み部分一致などで追加してさらに獲得を効率的に伸ばしていくという動きを行うことも出来ますね。
まとめ
今回は除外キーワードの特徴や選定するコツについてご紹介させて頂きましたが、いかがでしたでしょうか?
除外キーワードを設定することは入稿キーワードと同じくらい成果に繋がるということが分かったのでは無いでしょうか?
除外キーワードを選定するコツとしては、以下の3つの大きなポイントがあるとご紹介させて頂きました。
特にこの中でも、一番下のクエリの要素を見つけ出すのは一苦労な部分はありますが、定期的に見ることで除外だけでなく新しいキーワードの発掘にも見つかるのでおすすめです。
もしまだ除外キーワードを設定しないアカウントであれば、一つの成果改善のアクションとしてご参考にして頂ければ幸いです。
最後までお読みいただきましてありがとうございました。
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