リスティング広告のアカウント構造で、hagakure構造にはどんな特徴があるのか知りたい…。
hagakure構造はGoogleが推奨しているアカウント構造で、リスティング広告の効果を上げながら運用工数を減らしてくれる効果があるんだ!
リスティング広告のアカウント構造で現在主流となっているのは、hagakure(ハガクレ)と呼ばれるGoogleが推奨しているアカウント構造です。
ただ主流だからといって、hagakure構造にすれば効果が良いという訳ではなく、定期的にメンテナンスを行わないとリスティング広告の効果は下がっていきます。
実際に、僕もhagakure構造を試したところ、効果が悪くなったという事例がありました。
そこで今回は、hagakure構造の概要や特徴、実際に試した事例をご紹介させて頂き、さらにhagakure構造で効果を上げるために必要なポイントを解説していきます。
Google推奨のhagakure(ハガクレ)構造とは?
まずはhagakure構造がどういうもので、その特徴や配信事例について解説していきます。
hagakure構造の理論
hagakure構造とは、Googleが推奨しているリスティング広告のアカウント構成のことで、運用工数を減らしながら広告の効果を最大限に引き上げることがコンセプトになっている構造です。
もう少し具体的に説明すると、リスティング広告のアカウント構成はアカウント・キャンペーン・広告グループの3層で作られており、広告グループのグルーピング次第でどのキーワードでどの広告文を配信するかが決まりますが、hagakure構造ではこの広告グループの分け方をリンク先のページごとに設定していく構成になります。
通常は、ユーザーの検索意図に合わせて広告文が配信できるようにキーワードから広告グループを作り上げていくため、そのユーザーの検索意図の数だけ広告グループができあがりますが、hagakure構造はリンク先で広告グループを分けていくことになりますので、広告グループ数が少なくかなりシンプルなアカウント構造になります。
hagakure構造のメリット
hagakure構造を活用するメリットとしては、コンセプトにもなっている運用工数を減らすことが最大のメリットになります。
リスティング広告では、キーワード単位で入札調整を行ったり広告文を作成したり、と運用工数が大幅にかかる広告メニューですが、この運用工数を削減するために重要となるのがGoogle広告で活用できる自動入札機能の導入になります。
そしてhagakure構造にすることで、この自動入札がより効果を上げやすい構造になります。
もう少し具体的に説明すると、先ほどのhagakure構造の理論を見て頂いても分かる通り、広告グループの数が減りますので1つの広告グループに対する広告の配信量(インプレッション数)が増加することになります。
Google広告の自動入札は、広告の配信量が多ければ多いほど入札調整が最適に行われやすい仕組みとなっており、広告グループのインプレッション数が集約することでより自動入札に最適化されやすいアカウント構造になります。
つまり、hagakure構造にすることで自動入札の機能を最大限に活用することができるため、リスティング広告の運用工数を減らしながら効果を最大化させることが可能になります。
hagakure構造のデメリット
hagakure構造には、運用工数を減らすという良い面もありますが、デメリットがあることも知っておかないといけません。
hagakure構造にすることで発生するデメリットとしては、ユーザーの検索意図に合った広告文を配信することができず、機会損失を生む可能性があるアカウント構造になってしまうということです。
ユーザーが何かを調べたい、何かを知りたいという欲求が出てきた際に、検索エンジンを使ってその欲求を満たせるキーワードを入力して検索します。
そのキーワードに対して最適な回答ができる広告文でリスティング広告を配信すべきですが、hagakure構造にしてしまうと大量のキーワードを1つの広告グループにまとめてしまうことになりますので、ユーザーの検索意図と合わない広告文が配信されてしまい、クリック率の低下に繋がる恐れがあります。
これは市場やサービスによっても異なりますが、hagakure構造では機械的にユーザーに対して広告を配信させていくことになりますので、ユーザー一人一人に対してコミュニケーションを行うことは正直難しい構造になります。
ただし、後ほど解説するレスポンシブ検索広告を活用することで、このデメリットを解消させていくことができます。
hagakure構造の事例
実際にhagakure構造に変えた配信事例をご紹介いたします。
これまで同じリンク先であっても広告グループを6つに分けていたアカウント構造から、hagakure構造で広告グループを1つに集約した配信事例になります。
アカウント構造 | IMP | CL | CTR | CPC | COST | CV | CVR | CPA |
通常構造 | 101,066 | 2,299 | 2.27% | ¥90 | ¥206,593 | 66 | 2.87% | ¥3,130 |
hagakure構造 | 121,461 | 2,440 | 2.01% | ¥100 | ¥243,450 | 59 | 2.42% | ¥4,126 |
結果としては、hagakure構造にしたことで配信量であるインプレッション数は増加していることから、広告グループをまとめたことで広告配信されやすくなっています。
しかし、CTRやCVRは通常構造よりも低下してしまい、CPAが1,000円も高騰する結果となってしまいました。
前の章でも解説しましたが、hagakure構造にしたことでユーザーの検索意図にあった広告文を配信できなくなってしまい、ユーザーの興味を引くことができずクリック率低下、コンバージョン率も低下してしまいました。
hagakure構造に限らずではありますが、ユーザーの検索意図をしっかりとキャッチして広告文を作り上げていかないと、リスティング広告の成果は減少してしまいます。
この結果から、hagakure構造にしたからといって必ずしも成果が上がるとは限らないことがわかります。
hagakure構造で成果を上げる6つのポイント
これからhagakure構造を試す方やhagakure構造で上手くいっていない方に向けて、先ほどの失敗に基づき、hagakure構造で成果を上げるために重要となる6つのポイントを解説していきます。
- 自動入札の導入
- 完全一致インプレッションシェアの向上
- 広告カスタマイザの導入
- レスポンシブ検索広告の活用
- RLSAの活用
- IMSAの導入
自動入札の導入
まずhagakure構造のメリットでもある自動入札の導入は、このアカウント構造では必須ともいえます。
自動入札を入れないのであればhagakure構造にする意味もありませんので、hagakure構造を試す場合は自動入札で調整を行っていきましょう。
自動入札には様々な種類がありますが、hagakure構造に最適な設定は2種類で、コンバージョン数を増やすことが目的であれば目標コンバージョン単価(ターゲットCPA)、低予算でサイトへの集客数を増やすことが目的であればクリック数の最大化を活用することをおすすめいたします。
他にも予算内でコンバージョン数を伸ばすことができるコンバージョン数の最大化も設定できるのですが、この自動入札を始めに設定してしまうとコンバージョン数のデータが溜まるまで大幅にコスト消化が進む場合がありますので、あまりおすすめはできません。
広告カスタマイザの導入
広告カスタマイザとは、広告文をよりカスタマイズさせることができる機能で、具体的には登録したキーワードに合わせて広告文を変えることができます。
hagakure構造は、デメリットでも解説した通りユーザーの検索意図に合わせて広告文を配信することができませんが、この広告カスタマイザを活用すればキーワード毎に広告文を変えることができるようになりますので、このデメリットを解消することができます。
そのため、hagakure構造でリスティング広告を運用する際は、先ほどの自動入札と合わせてこの広告カスタマイザの活用は必須とも言えるでしょう。
完全一致インプレッションシェアの向上
hagakure構造にした場合に重要となる指標が、この完全一致インプレッションシェアの数値になります。
完全一致インプレッションシェアとは、登録したキーワードと完全に一致した語句でユーザーが検索した場合のインプレッションシェアのことを指しています。
なぜhagakure構造で、この完全一致インプレッションシェアの値が重要になるのでしょうか?
それは先ほどの広告カスタマイザと関係しているのですが、完全一致インプレッションシェアが高くなるということは、よりユーザーの検索意図に合わせてキーワードが登録されているという指標になります。
そしてそのキーワード毎に広告カスタマイザが設定されていれば、ユーザーの検索意図毎に広告文を変えることが可能だからです。
そのため、hagakure構造に変更した際は、この完全一致インプレッションシェアを向上していけるように、定期的に検索語句を追加して広告カスタマイザを設定することが鍵になってきます。
レスポンシブ検索広告の活用
レスポンシブ検索広告とは、広告文の見出しや説明文を複数本登録しておくことで、様々な組み合わせで広告文が配信されて、そのデータからGoogleの自動学習により効果の良い広告文を効率的に見つけてくれる広告種別になります。
先ほどの広告カスタマイザで広告文の検証を行う場合、広告カスタマイザのフィードを1つのキーワードに対して複数本準備する必要が出てきてしまい、工数が大幅に発生してしまう可能性があります。
そこでレスポンシブ検索広告を活用することで、広告文の検証を自動化していくことができ、またその結果を広告カスタマイザに活用してあげることで、より効率化した広告運用ができるようになります。
登録しているキーワードの数にもよりますが、hagakure構造では検索語句を一通りキーワードとして登録していくことが多く、キーワードの登録数が大量になることが多いので、広告文で検証していく際はレスポンシブ検索広告を上手に活用していきましょう。
RLSAの導入
RLSAとは、検索広告のリマーケティング機能のことで、サイトに一度訪問したユーザーに対して入札を強化するといったことができます。
このRLSAを導入することで、hagakure構造で使われているGoogleの自動入札機能において、リマーケティングリストのデータも活用されながら調整が行われますので、より成果を発揮しやすくなります。
もしすでにGoogle広告のアカウント内でリマーケティングリストが作られている場合は、紐づけを行うだけでRLSAの導入ができるようになります。
またリマーケティングリストだけでなく、Googleが自動で作成しているAdWords optimized listや類似ユーザーリストも同じく紐づけておくことをおすすめします。
IMSAの導入
IMSAとは、検索広告の購買意向の強いユーザー層に対して配信することができる機能のことです。
先ほどのRLSAがサイトに訪問したリマーケティングリストなのに対して、IMSAはGoogleが作成した購買意向の強いユーザー層のカテゴリに分類されているユーザーをターゲットにしています。
このIMSAもhagakure構造で導入しておくことで、より自動入札の精度が上がりやすくなりますので、導入しておくことをおすすめいたします。
基本的には、その商品やサービスに関係している購買意向の強いユーザー層を紐づけしておけば問題ありませんが、もし対象になりそうなカテゴリが無くても紐づけすることで悪影響はおきませんので、設定だけはしておくと良いでしょう。
まとめ
hagakure構造も色々と設定しておくことで、より効果を発揮しやすくなるんだね!
作業工数が無いならhagakure構造で配信とも言われるけど、しっかりと設定部分をメンテナンスしていかないと効果は出にくいんだよ!
今回はリスティング広告でGoogleが推奨しているhagakure構造について、特徴や事例、そして効果を上げるために重要なポイントを解説させて頂きました。
ただ単に「hagakure構造にすれば効果が上がる」と考えている方が多いのですが、この記事でも解説した通りでhagakure構造にはユーザーとの接点である広告文を細かく設定できないというデメリットがあります。
この広告文をしっかりとメンテナンスしていかないと、hagakure構造にしてもリスティング広告の効果が上がることはなく、反対に下がってしまうことになります。
リスティング広告のアカウント構造はhagakure構造以外にも様々な作成方法がありますので、しっかりとhagakure構造によるメリットとデメリットを把握して、どのような構成にしていくべきかを判断していきましょう。
最後までお読み頂きましてありがとうございました。
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