「カスタムアフィニティカテゴリで競合ユーザーに配信出来るの?」
「競合サイトのURLを指定するとどんなユーザーに配信されるの?」
マーケティングを行う上で競合サイトからどうやってユーザーを自社サイトに引っ張ってくるかを考えることも多いと思います。
自社サイトの強みを競合ユーザーに知ってもらえれば、もしかしたら乗り換えを考えてくれるかもしれません。
そんな時にGDN広告のターゲティングとして良く挙がってくるのが、カスタムアフィニティカテゴリです。
競合サイトのURLを入れることが出来るので、競合を使っているユーザーに広告配信することが出来て、乗り換えを促せるのでは無いかと思ってしまいます。
しかし、
カスタムアフィニティカテゴリを使って競合ユーザーを狙っていくのはあまり効率が良くない
です。
なぜなら、カスタムアフィニティカテゴリで競合サイトを指定したとしても、
競合ユーザーに配信されるというわけでは無い
からです。
もちろん中には実際に競合ユーザーに配信される可能性もありますが、カスタムアフィニティカテゴリではそのサイトに興味や関心を持っているであろうユーザー層に配信を行う形になりますので、そのサイトに訪問していないユーザーもいますし、そのサイトを知らない人も対象になり得るのです。
もし競合のユーザーを狙っていきたいのであれば、
カスタムインテントを使用する方が効率が良い
です。
今回はそんなカスタムアフィニティカテゴリについて、競合サイトを指定した場合の仕組みやカスタムインテントとの違い、そしてカスタムアフィニティのおすすめの使い方に関して、ご紹介させて頂きます。
カスタムアフィニティとは?
カスタムアフィニティカテゴリとはGDN広告のターゲティングの一つで、ユーザー層を決めるターゲティングとなっています。
そしてカスタムでアフィニティカテゴリを作ることが出来ます。
アフィニティカテゴリというのは興味・関心のカテゴリと呼ばれるもので、その物事に興味や関心を持っているユーザー層を集めたカテゴリをGoogleで準備しています。
実際のユーザーの行動履歴などを分析して、Googleがこのユーザーはこれに興味があるだろうとカテゴライズしています。
カスタムアフィニティカテゴリとは、
アフィニティカテゴリを自分で作って配信することが出来るターゲティングのこと
を言います。
自分で作る際には以下の4つの項目が準備されており、全部で5つ以上の内容を入れることで、それぞれに興味を持っているユーザーのカテゴリを作成することが出来ます。
- 興味や関心
- URL
- 場所
- アプリ
興味や関心
作成するカテゴリの興味や関心をキーワードで入力することが出来ます。
例えばこのサイトを訴求していくのであれば、「リスティング」や「SEM」などのキーワードを入れることになりますが、このキーワードに関心を持っているユーザー層を集めてくることが出来ます。
URL
様々なサイトのURLを入れることが出来ます。
例えば、「https://innoarx.com」と入れれば、このサイトのコンテンツに興味を持っているユーザーに配信することが出来ます。
場所
Googleが定めている場所に興味を持っているユーザーを指定することが出来ます。
例えば、「映画館」や「食料品店」など決められている中から選択していく形となります。
なおこの場所を指定すると、
GDNでは配信することが出来なくなり、配信面がYouTubeの動画キャンペーンのみに絞られます
ので、注意が必要です。
アプリ
アプリを指定することで、そのアプリに興味を持っているユーザーに配信することが出来ます。
以前までは場所と同じく動画キャンペーンのみに絞られていましたが、現在は動画キャンペーン以外でも使用することが出来ます。
カスタムアフィニティカテゴリはこれらの項目を使って興味・関心のカテゴリを作り上げていくことになります。
カスタムアフィニティで競合サイトを指定した場合
ここまではカスタムアフィニティについてご紹介させて頂きましたが、ここからはそのカスタムアフィニティで競合サイトを指定した場合にどのようになるのかをご紹介させて頂きます。
カスタムアフィニティで競合サイトを指定する場合は、項目として「URL」に競合のURLを入れていく形になります。
こうすればあたかもそのサイトに興味を持っているユーザーに対して配信することが出来ると考えられますよね。
つまりその中には競合サイトを利用しているユーザーも入ってくる訳で、そのユーザーに広告配信することで乗り換えを促せるのではないかということですね。
しかし冒頭でもお伝えさせて頂きました通りこの方法では、
対象と考えている競合ユーザーはアフィニティカテゴリの中にほとんどおらず、効率が悪くなりがち
です。
なぜ効率が悪いかというと、このカスタムアフィニティカテゴリの仕様によるところが大きいのです。
カスタムアフィニティカテゴリに「URL」を指定した場合、まずGoogle内ではそのURLがどんなコンテンツがあるのか、どんなサービスを提供しているのかをチェックします。
そして
そのコンテンツに興味があるユーザーを集めてくること
になるのです。
これはGoogle内のヘルプページでも書かれていることです。
URL: ウェブサイトのコンテンツに基づいてインタレスト カテゴリを作成します
https://support.google.com/google-ads/answer/2497941?hl=ja
つまりそのサイトに実際に訪れているユーザーの分析等は特に行っておらず、中身のコンテンツから判断をして、こんなサイトだからこのユーザーが興味あるだろうと判断しているのです。
そのためここに競合のURLを入れたところで、
そのURLに訪れていないユーザーの方が多かったり、そのサービスや商品を買うことすら考えていないユーザー層の方が多く集まってしまう
ため、最初にお伝えしたように競合からの乗り換えとしての広告を打つのであれば
効率が非常に悪い
のでおすすめしません。
また中身のコンテンツから判断をしているとのことなので、同じようなサービスであればどの競合サイトを入れてもコンテンツが同じと判断されてほとんど同じユーザーのカテゴリが出来上がることになります。
競合ユーザーを狙うならカスタムインテントがおすすめ
ここまででカスタムアフィニティで競合ユーザーを狙うことが、仕様的に難しいということが分かりましたでしょうか?
それでは実際に競合ユーザーを狙うのであれば、どのようなターゲティングが最適なのでしょうか?
こちらも完全に競合ユーザーを絞り込めるわけでは無いですが、
カスタムインテントの方がカスタムアフィニティよりも最適
です。
カスタムインテントとは?
カスタムインテントカテゴリとは、カスタムアフィニティと同じようにGDN広告の中でもユーザーを決めるターゲティングの一つであり、アフィニティが興味・関心であったのに対して、インテントは
購買意向の強い層に対してターゲティング
することが出来ます。
カスタムインテントを作成する際はキーワードとURLを指定することが出来るのですが、これらに対して積極的に調べているユーザー層としてカテゴリを作ることが出来ます。
そのため、
より獲得に近いユーザー層のカテゴリ
が出来上がります。
カスタムインテントに関しては、以下のページにより詳しい説明を記載しておりますので、良かったらお読みいただければと思います。
カスタムアフィニティとカスタムインテントの違い
カスタムアフィニティとカスタムインテントはどちらもGDNで「人」をターゲティングしてキーワードやURLを指定してカテゴリを作っていくので、とてもよく似ているターゲティングと勘違いすることが多いです。
しかし実際には作られるカテゴリとしては全く異なることになります。
まず、カスタムインテントは先ほどもお伝えした通りで購買意向の強い層、つまり実際に商品を買っているやたくさん調べているユーザーのカテゴリを作ることが出来ます。
そのため競合サイトのURLを指定した場合は、
そのサイトで商品を買っているユーザーや良く訪れているとされるユーザーのカテゴリ
を作ることが出来ます。
一方、カスタムアフィニティは興味・関心でのカテゴリを作成していくことになります。
元々各ユーザー毎でどんなカテゴリに興味を持っているかをGoogle側が決めています。
そして競合サイトのURLを指定してした場合は、そのサイトのコンテンツがこのカテゴリだから、このカテゴリに興味のあるユーザーのカテゴリを作ることになります。
どちらもURLを指定しているのですが、
- カスタムインテントはそのURLに対して購買意向があるかどうか
- カスタムアフィニティはそのURLのコンテンツに興味があるかどうか
という違いがあります。
以上より、競合ユーザーのカテゴリを作りたいのであれば、
カスタムインテントでカテゴリで作るべき
ということになります。
カスタムアフィニティはどのように使うべきか?
ここまででカスタムアフィニティカテゴリは競合ユーザーへのターゲティングには向かないことが分かってきたかと思います。
しかしそれではカスタムアフィニティはどのような時に使うべきなのでしょうか?
カスタムアフィニティカテゴリはどちらかと言えば、認知型のメニューとなります。(先ほど紹介したカスタムインテントは逆に獲得型のメニューです)
つまり直接獲得には繋がらないけど、その商品やサービスの認知度を高める場合に使用すべきターゲティングと言えます。
そしてカスタムアフィニティのおすすめの使い方としては、
競合サイトではなくて自社サイトを指定すること
です。
先ほどの項目でカスタムアフィニティは、URLを指定するとそのURL内にあるコンテンツに興味を持つユーザーをカテゴライズするとお伝えしました。
そのため自分のサイトを指定することで、
自分のサイトに興味を持つと考えられるユーザーへの配信
を行うことが出来ます。
自社サイトに訪問したユーザーはリマーケティングで訴求することが出来ますので、訪問したことないけど自社サイトに興味を持っているユーザーに認知型の広告をあてることが出来れば、新しいユーザーの拡張に繋げていくことが出来ます。
ただしあくまでもユーザーに認知させることが目的となりますので、獲得を狙っていく場合は少々ターゲティングとしては難しいことになります。
獲得狙いでこのメニューを使用するのはおすすめしませんが、もし少しでも獲得に繋げていきたいというのであれば、
「配信面」を決めるターゲティングと組み合わせて配信していく
のが良いかと思います。
下の記事にGDN広告のそれぞれのターゲティング手法と、ユーザーである「人」と配信面である「時」を組み合わせたターゲティングについてご紹介をしておりますので、良かったらお読みいただければと思います。
まとめ
今回はカスタムアフィニティカテゴリを使って競合サイトを指定した場合に関してお話をさせて頂きましたが、いかがでしたでしょうか?
カスタムアフィニティカテゴリは認知型ということもあり、競合サイトを指定したとしても競合ユーザーを絞り込むということは出来ません。
もし競合ユーザーに対して訴求をしたいのであれば、
獲得型でもあるカスタムインテントで配信する方が最適
となります。
カスタムアフィニティを使用するのであれば、競合サイトでなく自社サイトを指定することで、自分たちのコンテンツに興味のあるユーザーへの配信が出来るようになります。
しかしながらカスタムアフィニティはあくまでも認知型の広告になります。
そのため他の獲得型と同じCPAの指標でみることは止めましょう。
認知型であれば、その後の間接効果を追うアトリビューションでのデータ分析が必須になってくると思います。
例えば以下のような、YouTube広告は認知目的と配信されることも多いので、カスタムアフィニティとの相性は比較的良いですよ。
最後までお読みいただきましてありがとうございました。
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