「カスタムインテントって効果あるの?」
「キーワードターゲティングとカスタムインテントって何が違うの?」
GDNには様々なターゲティングがありますが、今回はその中からカスタムインテントについてお話しさせて頂きます。
GDNでリマーケティングは良く用いられる手法ですが、それ以外のターゲティングでの配信ってなかなか獲得に繋がらないこともあるから、実際に本当に効果があるのかどうか気になりますよね。
今回、実際に他のターゲティングと合わせてカスタムインテントで出稿を行ったのですが、
獲得には繋がるもののカスタムインテントはキーワードターゲティングの補完的役割を持っている
と言えます。
配信結果ではカスタムインテントよりもキーワードターゲティングの方がCVRが良い結果になっていますが、カスタムインテントも獲得に繋がらないターゲティングではありません。
そこで今回はカスタムインテントの特徴や実際の効果から、キーワードターゲティングとの相互作用といったところも含めてご紹介させて頂きます。
カスタムインテントとは?
まずはカスタムインテントがどんなターゲティングなのかについてご紹介させて頂きます。
カスタムインテントは、
GDN広告のターゲティングの一つでユーザー(人)を指定するターゲティングとなっており、正式にはカスタムインテントオーディエンス
と言います。
インテントというのは購買意欲の強いユーザー層を集めたカテゴリのことを指しています。
つまりその商品やサービスを購入することが多い、もしくは良く調べることが多いユーザーを集めているカテゴリと言えば分かりやすいでしょうか。
管理画面上に「購買意欲の強いオーディエンス」という項目があり、これがインテントにあたりGoogle側ではすでにいくつかのカテゴリが準備されています。
しかしこの中に訴求したいユーザー層がいないということもあるでしょう。
その場合に自分でこのインテントを作っていくことが出来るのが、カスタムインテントになります。
「自分でインテントを作るってどうやって作るの?」
と思われますが、実際に作成する場合は自身で複数の「キーワード」と「URL」を設定していくことで、それを購入するであろうオーディエンスを作ることが出来ます。
特徴としては購買意欲の強いオーディエンスということもあり、やはり実際の獲得に繋がりやすいということが言えます。
カスタムインテントの効果
カスタムインテントとは自分で購買意欲の強いユーザーのカテゴリを作ることが出来るターゲティングということが分かりました。
それでは実際に配信してみた効果をこの項目ではご紹介させて頂きます。
カスタムインテントの実際の配信事例
今回ご紹介するのは、これまでリマーケティングとプレースメントでの獲得がメインであるアカウントで、これから新しいユーザーの層を拡大していきたく「キーワードターゲティング」と「カスタムインテント」の2つのターゲティングを追加で配信してみました。
そもそもこの2つを選んだ理由としては、上限のCPAの縛りがあったため少しでも獲得に繋がる可能性のあるターゲティングで配信したかったことがあります。
キーワードターゲティングは後ほどご紹介しますが、ユーザー(人)と配信面(時)の両方を絞ることができ魅力的でした。
またインテントカテゴリは購買意向の高いユーザー層とのことで獲得に繋がる可能性があると考えられましたが、配信に最適なカテゴリが見つからなかったため、カスタムインテントでカテゴリを作り配信しました。
そしてそれぞれのターゲティングで配信した結果が以下となっています。
ターゲティング | IMP | CL | CTR | CPC | COST | CV | CVR | CPA |
リマーケティング | 6,957,316 | 28,471 | 0.41% | ¥48 | ¥1,379,749 | 145 | 0.51% | ¥9,467 |
プレースメント | 828,923 | 3,057 | 0.37% | ¥40 | ¥122,185 | 28 | 0.92% | ¥4,364 |
キーワードターゲティング | 24,264,594 | 41,133 | 0.17% | ¥30 | ¥1,242,989 | 95 | 0.23% | ¥13,084 |
カスタムインテント | 5,184,302 | 9,195 | 0.18% | ¥24 | ¥223,815 | 14 | 0.15% | ¥15,987 |
リマーケティングとプレースメントのCVRが高いのは当然ではありますが、キーワードターゲティングもカスタムインテントもどちらも獲得に繋げることが出来ています。
しかし圧倒的にキーワードターゲティングの方がCVボリュームが取れている、かつCVRも高い数値となりました。
つまり獲得を拡大していくなら、カスタムインテントよりもキーワードターゲティングの方が優秀という結果になっています。
カスタムインテントとキーワードターゲティングの比較
実際の配信結果としてはキーワードターゲティングの方が良い状況となりましたが、何が違うのかを見ていきましょう。
カスタムインテントは最初にお伝えした通りで、自分で「キーワード」と「URL」を設定してユーザー(人)のカテゴリを作ることが出来るとても自由度のあるターゲティングです。
一方、キーワードターゲティングとは自分でキーワードを設定して配信面(時)を決めるターゲティングになっています。
キーワードターゲティングはURLの指定は出来ませんが、どちらも自分で「キーワード」などを選定して配信するターゲティングであることが分かります。
しかしどうしてこんなに数値に差がついてしまったのでしょうか?
それはキーワードターゲティングの仕様にあります。
実はキーワードターゲティングは配信面を決めるターゲティングの方法なのですが、この中でもさらに「オーディエンスターゲティング」と「コンテンツターゲティング」という2つに分かれます。
今回この中のオーディエンスターゲティングを使用しているのですが、この設定を行うとそのキーワードに関連しているとされる「配信面」だけでなく「人」までも絞り込むことが出来るのです。
つまりカスタムインテントが「人」だけなのに対して、キーワードターゲティングは「人」×「配信面」という2つを絞り込むことが出来ていることにより、先ほどのように配信結果に差が出てしまったと考えられます。
なお、僕は「配信面」を「時」として、ターゲティング設定はこの「時」と「人」の組み合わせがとても重要になってくると考えています。
細かくターゲティングの設定を知りたい方は以下のページにまとめておりますので、良かったらお読みいただければと思います。
「じゃあカスタムインテントは使わない方がいいの?」
と思われる方もいらっしゃると思いますが、カスタムインテントがキーワードターゲティングよりも優れているところはあります。
それは
「URL」を指定することが出来る
ということです。
そのため、競合サイトのURLを入れることで競合サイトを定期的に活用していそうなユーザー層などを作ることができますので、キーワードターゲティングで指定するユーザー層よりもより広くより的確なカテゴリを作ることが出来るのです。
その結果もあり、「人」だけのターゲティングながら実際に獲得には繋げることが出来たと考えられます。
カスタムインテントのおすすめの使い方
ここまででカスタムインテントとキーワードターゲティングの仕様の違いが分かってきましたでしょうか?
それではここからは先ほどの結果を踏まえてカスタムインテントをどのように使っていくのが良いかをご紹介させて頂きます。
まずこれまでGDNでリマーケティングでしか出稿されていないようであれば、もちろん予算やCPA次第ではありますが、拡大に向けてまずはキーワードでのオーディエンスターゲティングの実施をおすすめいたします。
そこで実際にキーワードターゲティングで獲得に繋がるのが見えてきた際に、
さらに獲得を伸ばすという上でカスタムインテントを活用してユーザー層を増やしていく形が良い
と思います。
ただし先ほどの通りカスタムインテントは購入に近しいユーザー層のカテゴリに配信しているにも関わらずCPAが上がってしまうことがあります。
それはカテゴリの設定が悪い可能性もありますが、
ターゲティングの「時」である配信面を絞れていないことから、そのユーザーが買おうとしているタイミング以外でも広告配信がされてしまっている可能性
があると考えられます。
そこでカスタムインテントを配信してCPAが高くなってしまう場合は、「時」のターゲティングを掛け合わせて絞り込んでいくことをおすすめいたします。
このタイミングで使う「時」のターゲティングとしては、トピックターゲティングが良いと思います。
と言いますのも、「時」を決めるターゲティングは少なく現状キーワードターゲティングも使用しているとなると、プレースメントは絞り込みすぎなのでトピックターゲティングが的確なのかと思います。
そしてポイントはかなり広くトピックターゲティングの設定を行うことです。
これはトピックのカテゴリを複数設定しておくことで、裏側ではどのトピックカテゴリで獲得が上がっているのかを見ることが出来るからです。
もしこれである特定のトピックターゲティングから獲得が上がっているのが分かれば、CPAが改善するだけでなく次に拡大していくターゲティングを見つけやすくなっていきますからおすすめです。
YouTube広告でのカスタムインテント
ここまでカスタムインテントの実際の数値を元に、キーワードターゲティングの次に使いやすいターゲティングとしてご紹介をさせて頂きました。
しかしTrueViewなどのYouTube広告では話が変わってきます。
カスタムインテントは購買意向の強いユーザー層のカテゴリを自分で作り上げることが出来るターゲティングとお伝えさせて頂きましたが、YouTube広告では
「Googleで該当のキーワードを実際に検索したユーザー」
のリストを作ることが出来ます。
つまりカスタムインテントのオーディエンスをキーワードだけを指定してリストを作った場合、YouTube広告を出稿する際は
そのキーワードを実際に検索したユーザーに配信すること
が出来るのです。
これは同じターゲティングながらGDNとYouTubeで異なる仕様になっています。
そのため、例えばカスタムインテントを作る際に競合他社名のキーワードを入れておけば、その他社名を検索したユーザーに対してYouTube広告を配信することが出来るのです。
これはあまり知られていないことなのですが、とても価値のあるターゲティングです。
そしてさらにこれを通常のTrueView広告ではなく、TrueView for actionのメニューと組み合わせることで、獲得に繋げることも出来るようになるのです。
「競合他社のユーザーを自社のユーザーに乗り換えさせたい!」
これがTrueView広告では実際にカスタムインテントを使えば行えてしまうのです。
もし気になる方はTrueView for actionの記事でも、カスタムインテントと組み合わせた時の効果をご紹介しておりますので、お読みいただければ嬉しいです。
GDN広告ではキーワードターゲティングの次にカスタムインテントでしたが、YouTube広告であれば真っ先にカスタムインテントを選ぶべきでしょう。
まとめ
今回はGDNのカスタムインテントについて、実際の効果を元にお話をさせて頂きました。
カスタムインテントはキーワードターゲティングほどでは無いですが、獲得に繋がりやすいメニューということが分かったのではないでしょうか?
GDNでターゲティングの拡張を行う場合は、
- キーワードターゲティングで獲得に繋がればカスタムインテントを導入
- カスタムインテントのCPAが悪ければトピックターゲットと掛け合わせる
を実施していくことでより獲得に繋げられるような動きを取っていけると思います。
またYouTube広告ではカスタムインテントの仕様が変わるため、そちらもしっかりと理解してターゲティングを組めるようになっていきましょう。
最後までお読みいただきましてありがとうございました。
コメント