こんばんわ、イノアークスの渡邊です。
皆さんの社名や商品名の指名ワードで他社のリスティング広告の出稿がされていませんでしょうか?
「他社に出稿されていてCPCが上がってて困ってる…。」
他社に出稿されてしまっているようでしたら、流入を奪われないように自社で指名ワードをリスティング出稿して抑えておく必要がありますが、もしそのCPCが高くて大幅のコスト消化を発生してしまうと困りますよね。
そこでお互いに指名ワードでは出稿しないように交渉を行うことで、CPCを下げて無駄コストを消化せずにリスティング出稿を行うことが出来ます。
特に、
「お互いに競合名を買いあってクリック単価が上がってしまった…」
などは良くあることですので、そうならないように早めに対処を行いましょう。
ということで、今回は自社の指名ワードで競合他社が出稿されている場合の対策をご紹介させて頂きます。
競合名で出稿しても問題ないのか?
まずそもそも競合名のキーワードでリスティング広告の出稿は出来るのでしょうか?
この答えはただ1つ…
全く問題ありません!
商標登録を行っている文言であっても、キーワードを買うこと自体には何の制限もありません。
商標登録をしている場合に影響があるのは広告文で、広告文にその商標ワードが入っている場合は審査落ちとなりますが、キーワードへは影響がありません。
実際にGoogle社に問い合わせをしても、
「キーワードは自由競争なので取り下げは出来ない」
と言われます。
もちろんGoogle社としてはクリック単価が上がることで売り上げも上がりますので、制限をかけることはないでしょう。
ただそのままだと指名ワードのCPCは上がっていくだけですので、出来る限りのことをやっていきましょう。
競合名を出稿された場合の影響
あなたの指名ワードで競合が出稿された場合に起こることとしては、そのキーワードに対する入札オークションが増えるため、自社で出稿する場合のクリック単価が上がってしまいます。
基本的に指名ワードでの出稿は親和性が高いので、品質スコアが高くなり低単価での出稿が可能ですが、他社のオークションが高ければ高いほど、クリック単価が上がってしまいます。
それによりリスティング広告全体のCPAが引き上がり獲得効率が悪化してしまいます。
そのため早めに掲載している企業と交渉することをおすすめいたします。
掲載されている企業に直接連絡
直接連絡をしてそのキーワードで掲載されないように除外してもらえないか交渉をしていくのですが、ポイントがあります。
そのキーワードを購入しているかは分からない
「指名ワードで掲載されているのだからその会社がキーワードを絶対購入している!」
と思いがちですが、本当にそうでしょうか?
キーワードを購入する場合にマッチタイプというものがありますよね。
もしかしたら、
「部分一致で関連しているから指名ワードを拾ってしまっているのかもしれない」
「フレーズ一致でたまたま引っ掛かってしまっているのかもしれない」
それは実際に配信している企業にしか分かりません。
企業側としても、
「まさか出てると思わなかった」
というケースも少なくないです。
そのため思い込みを持たないことが重要なのです。
なぜ思い込みを持たないとお伝えしているかというと、こういう除外交渉は
「お前の会社、うちの指名ワードを購入してるから除外しろよ!」
と上からの依頼になりがちで、逆に除外してもらえないことが多いです。
だって購入してないんですから。。
僕もそのような指摘をされたら敵対視すると思います。
また、
「除外しなきゃ裁判沙汰にする!」
とか言っても絶対負けますからね!
勘違いをされる方が多いので注意してください。
商標はそんなに強くない
交渉の際に商標を武器にすることは良いと思いますが、前述の通りで商標にはキーワードを除外させるだけの効果はありません。
前に働いていた会社でも競合から除外の依頼が届いていたのですが、商標の番号がずらっと書かれていて
「除外しないとダメだよ!」
みたいな文言で送られてくるのですが、そんな脅しみたいな依頼は絶対しないでください。
先方の担当者がリスティング広告の知識に長けている場合は、
「商標はキーワード除外の対象にならない」
と返されるだけです。
商標の力だけにしがみつくことは止めましょう。
除外依頼はWin-Win
除外依頼はこちらからお願いすることになりますが、
「除外して」
ってだけだと
「なんで?」
で終わってしまいますよね?
そう、これは他の交渉や取引でも同じだと思いますが、ただこちらの要望を伝えるだけだと動いてくれないことが多々あります。
事業会社にお勤めの方は、取引先が広告代理店ということも多いでしょう。
基本的に広告代理店はこちらの言うことを全て実行してくれます。
もちろんこの関係が良いかどうかは別として、その状態に麻痺をしてしまうと他の会社も
「この依頼を受けてくれるはず」
と思いがちですが、そんな虫のいい話はありません。
広告代理店はこちらからマージンという手数料を払っているのですから話を聞いてくれますが、取引のない会社が聞くわけもありません。
ではどうしたら良いのか?
先方にも有益である旨を伝えてあげるのです。
「あなたに除外をお願いしたい」
にプラスで、
「僕はあなたの指名ワードを除外しますよ」
という依頼を付け加えるのです。
簡単にいうと、
「お互いに除外をしませんか?」
という依頼にさせちゃうのです。
これだと、先方は指名ワードの競合が減るので有益な話ですし、こちらにとっても除外作業は発生しますが特に損になることはありません。
企業との取引は、「Win-Win」か「Give&Take」でしか動きませんので、こちらからの依頼だけで終わらないことが重要です。
ちなみに逆に先方から除外の依頼がきた場合は、
「嫌だな…」
とは思わずに、
「チャンス!」
と考えて、除外してほしいキーワードを送りつけましょう。
先方としては除外が叶うなら、こちらの依頼も簡単に受け入れてくれますよ。
除外交渉をする場合の例文
ここまで除外依頼の交渉をする際のポイントについてまとめさせていただきましたが、ここからはそのポイントを踏まえて実際にどのように依頼をすればいいかをお伝えさせていただきます。
お問い合わせフォームもしくは連絡先をチェック
指名ワードにて出稿している企業のサイトに訪問して、お問い合わせフォームから除外の依頼を送ります。
フォームがない場合はメールアドレスの掲載がどこかにあるかと思いますので、確認しましょう。
ちなみにリスティング広告の掲載ポリシーに「主体者表記」いわゆる連絡先をリンク先のページに記載するかその記載のあるページへのリンクが貼ってある必要があります。
そもそも連絡先の記載がない場合はポリシー違反にあたり出稿停止できますので、Google社もしくはYahoo!社に指摘しましょう。
実際の除外依頼の文章
とにかくこちらから除外の依頼をするのですから、下手に出て丁寧に文章を書きます。
例としては以下のようなものになります。
株式会社○○
広告ご担当者様
突然のご連絡失礼致します。
株式会社○○の△△と申します。
問い合わせフォームからのご連絡となり大変恐縮でございますが、Google/Yahoo!のリスティング広告においてキーワード除外のお願いをしたくご連絡をさせて頂きました。
現在「●●」と検索した際に貴社サイトが表示されておりますが、「●●」は弊社の社名であり商標登録もされているキーワードとなりますので、「●●」のフレーズ一致での除外設定をお願いできませんでしょうか。
また弊社出稿につきましても、貴社名・サービス名の除外設定をさせていただきたいと考えておりまして、ご指定の除外キーワードをご教示頂けますと幸いでございます。
ご不明点などございましたらお気軽にお問い合わせ下さい。
大変お手数をお掛けいたしますがご協力の程、宜しくお願い申し上げます。
僕はいつもこのような文章で送っています。
上から説明していくと、
問い合わせフォームからのご連絡となり大変恐縮でございますが、
まず問い合わせフォームは基本的にその会社のお客様が使用するものになります。
ただそこからしか連絡できない場合が多いので、フォームから送ってしまい申し訳ないという気持ちを冒頭に伝えてあげましょう。
現在「●●」と検索した際に貴社サイトが表示されておりますが、
続いてどのキーワードで表示がされているのかをしっかりと明記してあげることが重要です。
●●の部分がその対象のキーワードになります。
これは実際にその会社の掲載がされていることを確認してから送ってくださいね。
念のため検索画面のキャプチャなども撮っておくことをおすすめいたします。
「●●」は弊社の社名であり商標登録もされているキーワードとなりますので、
除外してほしい理由は「社名」と「商標登録」の2つあれば良いかと思います。
前述の通り、商標はあまり細かくせずさらっと記載しておきましょう。
また弊社出稿につきましても、貴社名・サービス名の除外設定をさせていただきたいと考えておりまして、ご指定の除外キーワードをご教示頂けますと幸いでございます。
そしてもう1つの重要なポイントの先方から除外キーワードをもらいましょう。
依頼された会社としては嫌な気にならないし、交渉成立しやすいのでおすすめです。
以上のポイントさえ抑えれば、細かい部分はちょこちょこ変えて使っていただければと思います。
その後の流れとしてはお互いに除外が完了したらその旨を相手に送って完了です。
除外に対応してもらえない場合
上記の文章を送っても除外対応してもらえない場合が多々あります。
「そもそも返信すらない場合」と「返信はあるけど対応を渋っている場合」の2つに分けてお伝えさせていただきます。
そもそも返信すらない場合
これが一番対処としては難しいと思います。
なんせ先方と連絡が取れないのですからね。。
まず除外依頼をしてから2週間ほどしても連絡がない場合は再度依頼をしてみてください。
そのあとまた2週間しても返信がない場合は、対応する気がない企業と考えられます。
特に海外企業では良く見られるパターンです。
強制的なやり方にはなりますが、自社に広告費の余裕があるのであれば、他社の指名ワードを一時期的に購入してみるのも1つの手です。
出稿するとその会社も指名のCPAが上がりリスティング広告に苦労し始めますので、そこで再度除外の依頼を送ってあげると食いついてもらえる場合があります。
もちろんあまりいいやり方とはいえないのですが、最終的な手として頭の片隅に入れておくと良いでしょう。
ただこれでも除外してくれない企業もありますので、少し出稿してみて除外してくれないと分かり、かつ獲得が取れないキーワードであれば早めに出稿を停止しておきましょう。
返信はあるけど対応を渋っている場合
これは商標だけで交渉したときに良く起こりうるのですが、
「なんで対応しなきゃいけないの?」
という理由で渋る場合です。
前述の通り、指名ワードであろうが商標登録されているワードであろうが、出稿することに関しては全く問題がありませんので、それを知っている担当者様は対応しない可能性もあります。
この場合は少し腹を割って話すのがいいかもしれません。
例えば、
「クリック単価が上がってしまい困っていて、現在各社様にご対応をお願いしている」
と伝えてみましょう。
先方は、
「こちらとしては関係のないこと」
と思われますが、そうしたらこう切り返しましょう。
「このまま除外してもらえないとなると弊社の対策の方針として貴社の指名ワードを買わざるを得なくなってしまうので、それはお互いのクリック単価を上げることになり避けたく先行してご連絡をしている次第です。」
このようにお伝えすれば先方には自分事化してもらえて対応してもらえる可能性が出てきます。
これは商標や指名ワードを購入することになんの制限もないというポイントを逆に使った形で、
「あなたが買うなら僕も買うよ」
ということを伝えています。
まとめ
以上が指名ワードを除外する場合に大切なポイントでした。
ポイントの部分でもお伝えさせていただきましたが、上から目線での依頼は嫌われますし除外してもらえないことが多いです。
普通の企業はそんなメール来たら無視されるか、喧嘩腰での返信が届くと思います。
そのためメールの最初から最後までとにかく下手に出るようにしてください。
またすんなりいかないことも多々ありますし、担当者様毎で考え方は異なります。
ここに記載した以外の対応も必要となることがありますので、臨機応変に対応出来るようにしてくださいね。
最後までお読みいただきましてありがとうございました!
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