リマーケティングリストに関するこのような作成するのにお悩みを持っている方におすすめの記事です。
GDNやYDNなどのディスプレイ広告を配信する際にリマーケティングはよく使われる配信メニューです。
リマーケティングはサイトに一度訪問したユーザーに配信することが出来るので、よりCVに繋がりやすい配信メニューです。
しかしリマーケティングを配信する上でリマーケティングのリストが重要になることをご存知でしょうか?
リマーケティングと一言で言っても、実は
このリマーケティングリストの作り方次第では効果が悪くなってしまうこと
があります。
なぜならサイトに訪問したユーザーの中でも、CVに対してのモチベーションが異なるからです。
効果的なリマーケティングリストを作成するポイントとして、
- ページの深度
- リーセンシー期間
の2点を主に考えていく必要があります。
この深度とリーセンシーがユーザーのモチベーションを判断出来る項目であり、リマーケティングを効果的に配信するコツになります。
そこで今回はこのリマーケティングリストの最適な作成方法に関して、ご紹介させて頂きます。
ページの深度の考え方
リマーケティング広告を配信する上で、このリマーケティングリストが全てと言っても過言では無いくらいとても重要な項目です。
リマーケティングリストの作成の仕方次第で、上手くいくものもいかなくなります。
そのためリマーケティングリストの作成は慎重に行っていく必要があります。
そして冒頭でもご紹介させて頂きましたが、リマーケティングリストを作成する上でページの深度がとても重要なポイントの一つになってきます。
深度とは言葉の通り深さのことで、CVページに対してどのくらい深いページなのかを測る要素になります。
ページ深度の重要性
まずはページ深度がどのくらい重要なのかを実際の配信データを元にお話しさせて頂きます。
CV地点がフォーム送信完了のアカウントで、CV地点までフォーム①⇒フォーム②⇒フォーム③⇒フォーム④と複数のページが変わるようなサイト構造になっていました。
元々はフォームのそれぞれのページを切り分けていなくて、「問い合わせフォーム」として合算していたのですが、それぞれのページに切り替わるタイミングで離脱しているユーザーもいると思い、リマーケティングリストを切り分けて配信してみました。
その配信結果が以下となっています。
リマーケティングリスト | IMP | Clicks | CTR | CPC | COST | CV | CVR | CPA |
フォーム① | 331,189 | 1,182 | 0.36% | ¥54 | ¥63,671 | 1 | 0.08% | ¥63,671 |
フォーム② | 750,030 | 1,922 | 0.26% | ¥124 | ¥237,827 | 17 | 0.88% | ¥13,990 |
フォーム③ | 435,878 | 1,252 | 0.29% | ¥117 | ¥146,867 | 15 | 1.20% | ¥9,791 |
フォーム④ | 98,828 | 270 | 0.27% | ¥151 | ¥40,823 | 8 | 2.96% | ¥5,103 |
上記のように下に行けば行くほど、CVRが上がっているのが分かると思います。
当然ではありますが、
サイトの深度が深ければ深いほどユーザーのモチベーションは高くなっていく
ということが分かります。
この点からページの深度は、リマーケティングリストを作成する上でとても重要なポイントになってきます。
サイト構造からページ深度を考える
深度を測る上で、まずは実際のサイト構造がどのようになっているのかを考えていく必要があります。
今回、例として以下のようなサイトでリマーケティング配信する場合を考えてみましょう。
右下の「問い合わせ完了」ページをCV地点とします。
ページの深度を考える場合は、このCV地点を一番深い地点として考えて、そこから逆算してそれぞれのページを見ていく必要があります。
そこでCVページの深度を「0」として、そこから上に上っていく度に「-1」として考えていくと分かりやすいと思います。
「問い合わせ完了」のページに到達するためには、「問い合わせ確認」のページを通らないといけないため、「問い合わせ確認」は「-1」の深度になります。
さらに「問い合わせ確認」に到達するためには「問い合わせ」ページに訪れないといけないため、「問い合わせ」は「-2」になります。
続いて「問い合わせ」のページに訪問するためにどのようなルートが考えられるでしょうか。
- 「TOPページ」から「問い合わせ」ページに来るパターン
- 「料金プラン」から「問い合わせ」ページに来るパターン
- 「商品紹介」から「問い合わせ」ページに来るパターン
など複数のパターンが考えられますよね。
ここも同様に下にいけば行くほど深度が深いと考えていきます。
しかしページ数が多いサイトだと、リマーケティングリストを大量に作成する必要が出てきてしまい大変ですよね…。
そこでここからはサイトの階層で判断して、第二階層までは切り分けてリストを作成して、第三階層以降に訪問したユーザーリストは第二階層のリストに含めてしまうようにします。
「え、深く行けば行くほどモチベーションが上がるから切り分けた方が良いんじゃないの?」
と思われるかもしれませんが、最初の段階で切り分けてしまうと作業時間がかかってしまい効率的ではありません。
例えば実際に第二階層で切り分けて配信した結果を見て、「商品について」のリマーケティングリストの配信量が多くCVにも繋がっているようであれば、その下の「商品紹介」と「商品の強み」を分けて効果がどうなるかを判断していけば良いのです。
また第一階層、第二階層からでも問い合わせページに行けてしまうので、ここで第三階層を切り分ける理由も弱いというのもありますね。
以上より第二階層を「-3」、第一階層を「-4」として以下のようなページ深度で考えていくことが出来ます。
ここまでがページ深度の考え方になり、後ほどリマーケティングリストを作成するタイミングで再度活用していきます。
リーセンシーの考え方
これまではページ深度のお話でしたが、ここからはリマーケティングリストでもう一つ大切な部分であるリーセンシーの考え方についてご紹介させて頂きます。
リーセンシーとは、
ユーザーがそのページに訪問してからどのくらいの期間が経ったか
を測る項目になります。
リーセンシーの重要性
Google・Yahoo!ではリーセンシーを1~540日までとして1日単位で設定することが出来ます。
基本的には日数が経てば経つほど、モチベーションは下がると言われています。
実際に過去に配信したリーセンシー別での実績結果を見てみましょう。
リーセンシー | IMP | Clicks | CTR | CPC | COST | CV | CVR | CPA |
1日 | 274,615 | 981 | 0.36% | ¥108 | ¥105,885 | 14 | 1.43% | ¥7,563 |
2-3日 | 374,067 | 1,150 | 0.31% | ¥100 | ¥115,010 | 10 | 0.87% | ¥11,501 |
4-7日 | 669,869 | 1,852 | 0.28% | ¥86 | ¥158,741 | 9 | 0.49% | ¥17,638 |
8-14日 | 977,101 | 2,610 | 0.27% | ¥84 | ¥218,995 | 7 | 0.27% | ¥31,285 |
15-30日 | 1,662,609 | 4,504 | 0.27% | ¥66 | ¥296,574 | 10 | 0.22% | ¥29,657 |
上から「1日」「2-3日」「4-7日」「8-14日」「15-30日」と5つに切り分けた配信結果となりますが、日数が短ければ短いほどCVRが高いのが分かります。
このデータより、
リーセンシーはユーザーのモチベーションに変化を与えている
ということが分かります。
そのため、リマーケティングリストを作成する上でリーセンシーも重要な項目になってくるのです。
リーセンシーは5分割ほどがおすすめ
リーセンシーがリマーケティングリストで重要なことが分かったところで、ではどのように設定していくのが良いのでしょうか?
これは、
その事業やサービスを購入するまでの検討期間
によって大きく変わってきます。
例えば平均1ヶ月ほど各社を比較・検討して結論を出すようなサービスであれば最大1ヶ月を目安に、半年ほど検討するような高い金額の商材であれば最大半年を目安にリーセンシーを分けていく必要があります。
あくまでも事業によって異なるので一概には言えませんが、最初は「1日」「2-3日」「4-7日」「8-14日」「15-30日」と5分割で作成していくことが多いです。
特に「1日」のリストに関しては、先ほどの事例でも他の期間と比べて圧倒的にCVRが上がりますので、必ず作成しておく方が良いです。
それ以降の最適なリーセンシーは実際の配信結果を見て判断していきます。
例えば「8-14日」のリストの配信量が多くCV数も付いているようであれば、「8-10日」と「11-14日」で分けてみるとか、「15-30日」でもCVRが大きく下がっていないようであれば「31-60」日などリーセンシー期間を拡げてみるなどと変更していくことが出来ます。
最初はデータ数も無いことがあるため、「1日」はしっかりと切り分けつつ、他はざっくりと5分割にしてあげると、その後のデータが見やすくなっていくと思います。
最適なリマーケティングリストの考え方
ここまでリマーケティングリストを作成するために必要なページの深度とリーセンシーの考え方についてご紹介させて頂きました。
ここからは実際にその深度とリーセンシーを使ってリマーケティングリストを組み合わせて作成してみましょう。
なおページの深度の項目でご紹介させて頂きました以下のサイト構造で、かつ全てのページにリマーケティングのタグが埋まっている前提で進めます。
リマーケティングリストの作成
まずはリマーケティングリストを作成していきます。
ページの深度より、
- -1:「問い合わせ確認」
- -2:「問い合わせ」
- -3:「商品について」
- -3:「料金プラン」
- -3:「導入事例」
- -4:「TOPページ」
の6ページをピックアップしていきます。
リーセンシーは、
- 1日
- 3日
- 7日
- 14日
- 30日
の5分割で進めていきます。
まずはこれらを組み合わせて、30個のリマーケティングリストを作成していきます。
上記のような形になります。
「よし、これで配信!」
・・・
とはまだいきません。
例えばTOPページで作成したリストの中には、料金プランに訪問したユーザーもいるし、問い合わせページまで到達したユーザーもいるし、TOPページだけで離脱したユーザーもいます。
つまり、そのページよりも深度が深いページがある場合は、深い方のリマーケティングリストにユーザーを溜めておかないと、リマーケティングリストがごちゃごちゃになってしまい、最適なリマーケティング配信を行うことが出来ません。
つまり問い合わせページまで訪問したユーザーは、TOPページのリマーケティングリストには含めないということですね。
またリーセンシーも「30日」のリストの中には、「1~30日」の間に訪問したユーザー全て入ってきてしまっていますので、リスト名は分かれているものの厳密な切り分けが出来ていません。
そこで今度は作成したリマーケティングリストを組み合わせしていく必要があります。
リマーケティングリストの組み合わせ
例えば「問い合わせページ」に「2-3日」前に訪問したユーザーを作成する場合、「問い合わせページ_3日」のリストからリーセンシーとして「問い合わせページ_1日」のリストを除外、またページの深度から「-2」より深い「-1」にある「問い合わせ確認ページ_3日」のリストを除外させる必要があります。
つまり、
「同じページでリーセンシーの1つ短いリスト」
「同じリーセンシーで深度が深いページのリスト」
を除外させていく必要があります。
この組み合わせ設定はかなり複雑でとても面倒な作業ではありますが、最初の段階でこの設定が出来ているかどうかで後々の入札調整やデータ分析が楽になってきます。
あくまでも最初だけの設定になりますので、根気強く作成していきましょう。
なお以下のようにそれぞれ頭に「【組】」など組み合わせリストであることを名前に付けていくと、管理がしやすくなります。
これでリマーケティングリストの作成は完了です。
それぞれのリストを広告グループに紐づけて配信していきましょう。
CVページのリマーケティングリストを作成する
あと配信前にもう一つ忘れてはいけないのが、CVページのリマーケティングリストの除外設定です。
つまり、
一度CVページに訪問したユーザーには広告配信をしない
という設定をするためにリストの作成を行います。
この設定は簡単で今回の場合では、URLを「/contact/thanks/」、リーセンシーを最大期間の「540日間」に設定したリストを一つ作っておけば完了になります。
「これも先ほどと同様に組み合わせリストで他のリストと合わせて設定しないといけないの?」
と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
組み合わせリストの設定でも除外を行うことが出来ますので、もちろん組み合わせの際に設定することも可能です。
ただもっと楽な方法がありまして、
GDNであればキャンペーン単位、YDNであれば広告グループ単位でリマーケティングリストの除外
を行うことが出来ます。
このCVページの除外は全てのリマーケティングリストが対象になると思いますので、キャンペーンもしくは広告グループの大きい単位で設定をしておけば問題ありません。
まとめ
今回はリマーケティングリストを作成するコツに関してご紹介させて頂きましたが、いかがでしたでしょうか?
リマーケティングリストの作成はかなり細かい設定が必要になりますが、始めにしっかりと設定しておけばデータがより正確になりますし、今後の改善策が適正なものになっていきます。
そのため複雑ではありますが、「ページの深度」と「リーセンシー期間」をしっかりと組み合わせて、ユーザーのモチベーションに合わせたリマーケティングリストが作成出来るようになりましょう。
ディスプレイ広告の中でもリマーケティング配信はメリットも大きいメニューになりますので、慎重に設定を行っていくことをおすすめいたします。
リマーケティングのメリットとデメリットは以下のページでもご紹介させて頂いておりますので、良かったらご参考にして頂ければと思います。
最後までお読みいただきましてありがとうございました。
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