TrueView広告を配信しているんだけど、リマーケティングによる配信の効果が良いのかどうか知りたい…。
実はディスプレイ広告とは異なり、TrueViewではリマーケティングによる配信は行わない方が良いんだよ!
サイトに一度訪問したユーザーをターゲットにするリマーケティング配信は、ディスプレイ広告などで獲得に繋がりやすいターゲティング手法として知られており、TrueView広告でも活用することができます。
そのため、サイトに訪問したユーザーにだけTrueView広告を配信できるので、効率が良いと書かれている記事や運用者が圧倒的に多いです。
しかし、これまで実際にリマーケティングでTrueView広告を配信したこともありますが、他のターゲティングと比較してあまり良い結果が出たことはありません。
なぜなら、TrueView広告でリマーケティング配信する場合は、ディスプレイ広告と仕様が異なっていてリマーケティングリストの精度が低いためです。
そこで今回は、TrueView広告でリマーケティングを活用した際の実際の配信結果とその要因、またどのターゲティングを活用するのが良いのかを解説していきます。
TrueViewのターゲティング別の配信結果
早速ですが、TrueViewのリマーケティングを活用した配信結果からご紹介していきます。
前提条件
まず前提条件として、このアカウントでは以下の目的および配信設定でTrueView広告を配信しました。
- 配信目的 ⇒ 獲得数の最大化
- 獲得指標 ⇒ 商品の購入
- 広告フォーマット ⇒ TrueView for action
- ターゲティング ⇒ リマーケティング、コンテンツターゲット、カスタムインテントオーディエンス、カスタムアフィニティカテゴリ、類似ターゲティング、ノンターゲティング
広告フォーマットのTrueView for actionとは、獲得に繋がりやすいTrueViewインストリーム広告で、今回の配信目的には最適なフォーマットです。
ターゲティング別の配信結果
実際にTrueView広告を配信したターゲティング別の結果が、以下の表になっています。
広告グループ | IMP | VIEW | VIEW rate | CPV | CL | CTR | CPC | COST | CV | CVR | CPA |
リマーケティング | 4,372,452 | 984,937 | 22.5% | 4円 | 11,988 | 0.27% | 315円 | 3,775,904円 | 111 | 0.93% | 33,971円 |
ノンターゲティング | 6,972,834 | 1,086,640 | 15.6% | 5円 | 22,380 | 0.32% | 260円 | 5,829,052円 | 230 | 1.03% | 25,344円 |
コンテンツターゲット | 589,808 | 103,370 | 17.5% | 6円 | 1,308 | 0.22% | 452円 | 591,209円 | 14 | 1.05% | 43,217円 |
カスタムアフィニティ | 2,610,672 | 410,311 | 15.7% | 5円 | 7,634 | 0.29% | 284円 | 2,169,993円 | 70 | 0.92% | 30,951円 |
類似ターゲット | 1,655 | 297 | 18.0% | 4円 | 3 | 0.18% | 437円 | 1,311円 | 0 | 0.00% | 0円 |
カスタムインテント | 1,397,098 | 215,534 | 15.4% | 7円 | 4,873 | 0.35% | 307円 | 1,497,813円 | 75 | 1.54% | 19,971円 |
視聴完了率(VIEWrate)はリマーケティング配信が一番良いことから、興味の高いユーザーに対して広告配信されていることが分かります。
しかし、動画を視聴したユーザーからのクリック率(CTR)とコンバージョン率(CVR)は、他のターゲティングと大きく変わらず、何のターゲティングも設定していないノンターゲティングの方が低CPAで配信できていることがわかります。
ディスプレイ広告であれば、リマーケティング配信がCV数も多くCVRも高いという結果になるのが通常ですが、TrueView広告でリマーケティング配信をしても獲得に繋がりにくいということがこの結果からわかります。
なぜリマーケティング配信の効果が良くないのか?
先ほどの結果だけでも、TrueView広告でリマーケティング配信は使わなくて良いことが言えますが、ここからはどうしてリマーケティング配信の効果が良くないのかをもう少し深く解説していきます。
リマーケティングリストの精度の低下
通常のディスプレイ広告でのリマーケティングは、リマーケティングタグを使ってブラウザのCookieに対してサイトに訪問した情報を保存させて、その情報があるブラウザで広告枠が表示された際にリマーケティング配信されるという仕組みです。
しかし、YouTubeで広告配信される場合は、このブラウザでのCookie情報を活用することができません。
なぜなら、ブラウザではなく動画の中に広告を配信させることになりますので、ブラウザのCookie情報が使えない仕組みになっています。
そこでTrueView広告でリマーケティング配信を行う場合は、GoogleアカウントでログインしているGoogle Chromeブラウザでサイトに訪問し、同じGoogleアカウントでYouTubeにログインした状態で動画を再生した場合にのみ、リマーケティング配信される仕組みとなっています。
そのため、サイト訪問したユーザーがGoogle Chromeのブラウザを使っていない場合やYouTubeにログインしていない場合では、そのユーザーはYouTubeでのリマーケティング配信の対象にはならず、リマーケティングリストの精度低下に繋がっています。
特にiPhoneを利用しているユーザーは、標準ブラウザのSafariを使っていることが多く、YouTubeでのリマーケティング配信の対象になりませんので、通常のディスプレイ広告と比べるとリスト対象が少なく効果が良くない結果となりやすいです。
ディスプレイ広告との配信重複による逆効果
もう一つが、リマーケティング配信することによるユーザーへの逆効果が考えられます。
ディスプレイ広告で配信を行っている場合、YouTube内へも静止画で広告配信されています。
例えば、動画内に配信されるバナー広告(以前は「InVideo オーバーレイ広告」という名称)やYouTubeサイト内に配信されるバナー広告があります。
つまり、ディスプレイ広告でリマーケティング配信を活用している場合、すでにYouTubeサイト内でも広告が配信されているのに、さらにTrueView広告で動画を配信させることはユーザーに対して何度も広告が配信されている状態であり、「ウザい」と思われ逆効果に繋がっている可能性が高いです。
そのため、このディスプレイ広告との配信重複によって、リマーケティング配信が他のターゲティングと比較してもあまり良い結果にならなかった理由として考えられます。
TrueViewでおすすめのターゲティング
ここまででTrueView広告でリマーケティング配信をしても、あまり効果として良くないことが分かりましたが、ではどのターゲティングを活用していくのが良いでしょうか?
業種や市場、狙うターゲットによって異なりますが、ここではどの商材でも活用することができるおすすめのターゲティング手法を2つ紹介いたします。
カスタムインテントオーディエンス
カスタムインテントオーディエンスとは、自らキーワードを複数設定することで、そのキーワードに対してよく調べているユーザーや購買する可能性の高いユーザーに対して、広告配信することができるターゲティング手法です。
ただしTrueView広告でカスタムインテントオーディエンスを活用する場合は仕組みが変わっており、設定したキーワードを14日間以内にGoogleで検索したユーザーに対してTrueView広告を配信することができます。
そのため、特定のキーワードを検索したユーザーに絞って配信することができるので、特に獲得を目的としたTrueView広告配信での活用はおすすめです。
カスタムアフィニティカテゴリ
カスタムアフィニティカテゴリとは、自らキーワードやURLなどを設定することで、その設定内容に興味のあるユーザーに対して、広告配信することができるターゲティング手法となっています。
カスタムインテントオーディエンスに似ていますが、カスタムアフィニティカテゴリは獲得に繋がるユーザーではなく興味・関心のあるユーザーをターゲットにすることができるので、認知目的の際に活用するのがおすすめです。
また、TrueView広告でカスタムアフィニティカテゴリを活用する場合は、そのユーザーのよく行く場所からターゲティングすることができます。
例えば、ジムによく行く人や映画館によく行く人など、場所を指定したターゲティングでTrueView広告を配信することができます。
まとめ
TrueView広告でリマーケティング配信はあまり使わない方が良いんだね!
リマーケティング配信よりももっと効率の良いターゲティング手法をTrueView広告では使うことができるんだよ!
今回はTrueView広告でリマーケティング配信を行った場合の効果とその理由について、解説させて頂きました。
記事内でもご紹介した通りで、TrueView広告でリマーケティング配信してもあまり効果はありません。
それよりも、ディスプレイ広告では設定することができないターゲティング手法をTrueView広告では使うことができるので、上手に活用していくことでさらに効果改善に繋げることができます。
【YouTube広告のターゲティング一覧】TrueViewやバンパー広告のセグメント選定では、YouTube広告で活用できる全ターゲティング16個について解説していますので、TrueView広告のターゲティングで悩んでいる方は是非一度ご覧ください。
最後までお読みいただきましてありがとうございました。
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